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着想の原点は、プロジェクターそのものである。そこから放たれる光束は、四角錐の「目に見えない」光の空間を潜在的に持っている。そのプロジェクターが持つ空間的な現象を再認識しそれを顕在化させた空間をつくり出すことを目指した。
また、「入力から出力まで」をできるだけシンプルに、ダイレクトに表現したいと考えた。CGを一切使用せず、映像の素材、照明、撮影方法に趣向を凝らし、実写の持つ魅力を最大限に引き出すことにした。そして、「2D/3D」「具象/抽象」「静/動」など、二項対立として捉えられがちな概念をひとつの世界として表現しようと思った。
これらの映像は、空間奥の水平ワイドスクリーンから始まる。この部分の映像は、動画撮影機能をもった一眼レフカメラ5台で同時に撮影することで、あたかも絵巻物のような非常にリアルで高精彩なデジタル映像によるパノラミックな世界観をつくり出すことに成功した。ここに、ビジョンスクローラを設置し、来場者がインタラクティブでライブ感のある映像体験を味わえるようにした。
映像はその後、パズルのピースのように煌めく色の断片に解体され、抽象化されていく。そして、折り紙のように立体的に組み立てられながら、具象的な映像へ。そこには繊細かつ緻密なデジタルイメージング技術と、光と映像がもつ根源的な色彩と動きのダイナミズムがコンプレックスされた異次元の世界がある。
[text 高橋匡太] |